農業分野でドローン事業に新規参入するときの注意点(メリット・デメリット)

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ドローンは、私たちの暮らしや営みを支える便利なツールとして進化を続けています。その進化はとどまることを知らず、特に農業分野では活用の幅が広がりつつあります。種まき、薬剤散布、肥料散布など、さまざまな作業でその実力が発揮され、農業の未来を大きく変えようとしています。

この記事では、新規事業としてこの成長著しい分野に挑戦しようとお考えの方に向けて、ドローン導入のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。可能性と課題を把握し、成功の第一歩を踏み出すためにぜひご一読ください。

メリット

1. 作業効率の向上

ドローンでの農薬散布は1haあたり約10分程度で、圃場内にほぼ均一に散布することが可能です。例えば、動噴での作業は1ha160分。1日の作業面積で比較した場合でも、ドローンは10~30ha、動噴は1~5haです。作業者への負担、被ばくの面でもドローン作業の方が軽減が見込めます。

急斜面やぬかるんだ土地など、従来の機械では作業が困難だった場所でも、ドローンならスムーズに散布が可能です。

2. 精密な散布

ドローンにはセンサーやGNSSが搭載されており、必要な場所に必要な量だけを正確に散布できます。これにより、肥料の無駄を防ぎつつ効果的な作業が可能です。また、肥料の使用量を最適化することで、無駄遣いを防ぎ、周辺環境や非対象エリアへの影響を最小限に抑えることができます。

3. 人手不足の解消

国内ドローンビジネスの拡大と農業分野の可能性

国内のドローンビジネスは、今後も成長が期待されています。特に農業分野においては、効率化が求められる中で、ドローンを活用した作業への関心が急速に高まっています。国家資格が不要で手軽に導入できる点も、ドローンによる「農薬散布」が注目される理由の一つです。

また、農薬散布は従来の地上作業と比べて、短時間で広範囲を正確に処理できるため、作業効率の大幅な向上が見込まれます。加えて、散布の正確性が向上することで農薬の無駄を減らし、環境への配慮にもつながります。

一方で、国内の農業従事者の7割以上が65歳以上という現実も見逃せません。この高齢化の現状において、若年層であれば比較的容易とされるドローン操作も、多くの高齢農家にとってはハードルが高い場合があります。そのため、「ドローン作業を外注したい」というニーズが今後さらに高まることが予想されます。これにより、ドローンを活用した農薬散布の受託サービスは、大きなビジネスチャンスとなるでしょう。

課題としては、初期投資や運用コスト、法規制への対応などが挙げられます。しかし、高齢化や人手不足という社会的背景を踏まえれば、ドローン技術が農業の未来を支える重要な役割を果たすことは間違いありません。

農薬を直接扱う機会を減らし、作業者の健康リスクを低減

また、ドローンを活用することで農薬を直接扱う機会が減り、作業者が健康に与えるリスクを大幅に低減できる点も重要です。従来の方法では散布中の農薬を吸い込む危険や、肌への付着といったリスクがありましたが、ドローンの遠隔操作によって作業者の安全性が向上します。

4. 新たな市場の創出

事業拡大の可能性

益々進化するドローンの活用は農薬散布にとどまらず、生育状況や病害虫のモニタリング、さらには種まきや施肥といった他の農作業支援にも広がる可能性があります。これにより、農業全体の効率化と精密化がさらに進むことが期待されています。

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デメリット

1. 初期投資コストの高さ

ドローン本体、専用農薬タンク、操作システムなどの購入費用は高額

ドローン導入の際には、農林水産省や経済産業省が実施する助成事業を活用することで、機体購入費用の最大1/2を補助してもらうことが可能です。また、操縦者の教育・訓練に必要な費用についても、厚生労働省が提供する「人材開発支援助成金」などの支援を受けられる場合があります。

当社では、これらの補助金に関するご相談にも対応しております。申請手続きや要件についてお気軽にお申し付けください。導入時の負担軽減を全力でサポートいたします。

2. 法規制や行政手続き

飛行許可

国や地域のドローン飛行に関する規制(高さ制限、飛行区域制限など)があります。
NINJA LINKSSの本部が煩わしい申請を全て行います。

安全基準

農薬散布における特定の安全基準を満たす必要がある。
NINJA LINKSSでは、UTCの資格講習の際に、独自のテキストを使って安全基準について学んでいただいています。また、定期的に初心者講習を開催し、フォローを行っています。

3. 天候や環境要因

気象条件に左右される

風が強い日や雨天では作業が難しい場合がある。

地形や電波環境の影響:障害物や電波障害が多いエリアでは操作が困難。

4. 技術面の課題

操縦スキルの習得

高度な技術が求められる場合があり、熟練者の不足が課題。
新しい業界のため、熟練者といっても10年以上従事している人材は存在しません。いち早く参入することで、経験を積んでいただけます。

機器のメンテナンス

故障時の修理や定期メンテナンスの負担があります。
NINJA LINKSSでは、全国の拠点で随時対応を行っていますが、実費が必要になります。

5. 社会的な受け入れ

周囲の反応

ドローンの音や見た目に対して近隣住民から苦情が出る可能性。
実際に散布作業を行う前に、「ヒアリングシート」をご用意しています。圃場(散布する場所)の近隣の情報をお聴き取りして、NINJA LINKSSが定めるガイドラインに従って対応して頂けます。

安全性の懸念

墜落や散布ミスが生じた際の影響への懸念。

まとめと対策

この事業を成功に導くためには、初期投資を抑えながらも高い技術力を確保し、サービスの差別化を図ることが重要です。また、地域の規制や住民の理解を得るために、事前の説明会や協力体制の構築が欠かせません。さらに、気象条件や環境に柔軟に対応できる運用体制を整えることで、リスクの軽減が可能になります。

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