【リポート90】農家の応援団!「鹿深サービス」にお話を伺いました
「NINJA LINKSS」甲賀市のフランチャイズである 株式会社 鹿深サービス(以下鹿深サービス) の代表、藤田様にスマート農業についてお話を伺いました。藤田様は、長年培われた農業の知識と最新技術を融合させた新たなアプローチで、地域農業の発展と持続可能性を目指しています。
鹿深サービスは、農機具の買取事業からスタートした企業です。特にトラクターはどんなに古くても壊れていても買取可能という柔軟なサービスを展開しています。
また、離農農家から受け継いだ田んぼを活用し、稲作事業にも積極的に取り組んでいます。この稲作によって誕生した「鹿深米」は、米卸を通さず、主にレストランへ直接販売する形で拡大中。令和5年時点では13haもの面積を耕作し、地域の農業と環境を守りながら、省力化と収益性を追求しています。
画像:鹿深サービスの倉庫の様子 手入れされた農機が並んでいます。
鹿深サービスさんが、
農業に参入したきっかけをお聞かせください。
農業参入への挑戦
約10年前、農機具買取の際に離農農家から「田んぼをやってみてほしい」との依頼を受けたことが稲作の始まりです。JA甲賀から苗や資材を購入し、初めての稲作に挑戦しました。刈取り後、JAへの出荷を試みるも契約がないため門前払いを経験し、農業参入のハードルの高さを実感しました。
「鹿深米」という、オリジナルブランド米がありますが
どんな経緯でブランド化されたのですか。
ブランディングと販路拡大
試行錯誤の中、滋賀銀行の紹介で「ぐるなびプロ」に加盟しました。そこで「鹿深米」と命名し、ブランド価値を確立しました。農業参入の許可を取得し、農産物検査の適合規格品としての証明を取得。銀座の料亭「和らん」や地元の飲食店、さらに展示会を通じて米卸業者とも取引を開始しました。
その結果、近江米食味コンクールで連続受賞するなど品質が高く評価されました。
その「鹿深米」は、
とっても美味しいと評判ですが秘訣を教えていただけますか。
食味へのこだわり
食味分析計を導入し、圃場ごとに乾燥調製を行うことで美味しさをランク付けしています。これにより、おにぎり食堂や岡喜グループなど多くの店舗に採用され、納入先が拡大しました。さらに、ドローンによる湛水直播や省力化技術を導入し、持続可能な農業の実現に取り組んでいます。
農家さんがいかに作業が減り、効率のよい農業が叶うのかを懸命に試行錯誤されてきました。
少しだけでいいので「鹿深米」の
農法についての秘訣も気になりますね。
新たな農法の模索
令和6年産からは鉄黒コート種子直播を開始しました。これが初年度から収穫量が飛躍的に向上し、リゾケア種子と比較してコストも削減できました。また、ドローンによる直播やマイコス菌の活用で、作業効率の大幅な向上を実現しています。田植えや水管理の負担を軽減し、利益を出せる農業モデルを確立しています。
鹿深サービスさんの
将来の展望などについてもお聞かせいただけますか。
課題と未来への展望
近年の気候変動により従来の農業技術や資材が通用しにくくなっています。先進的な一部の農家はマイコス菌やバイオ資材を活用し、新たな可能性を切り開いています。鹿深サービスもこうした挑戦を続け、持続可能な農業の未来を目指しています。将来的には、農作業の殆どを私どもの様な農業支援事業者が請負うことで、農家さんが代々受け継いだ土地を、そのご家族が守り続けていけることが願いです。こうして、社会に、日本に貢献したい。そのために日々の活動を行っています。
「農業の常識が非常識になる」今、私たちと共に新しい時代の農業を築きましょう!
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藤田様は、農業の省力化と効率化が急務であると指摘され、ドローンを活用した湛水直播や、マイコス菌などのバイオ資材を取り入れることで、従来の田植えや水管理作業を簡略化しながら収量を確保する方法について詳しく説明されました。
また、鉄黒コート種子直播の導入によるコスト削減と収益向上の事例を共有し、「農業は新しい技術を取り入れることで可能性が無限に広がる」と熱く語られました。
さらに、藤田様はスマート農業の普及を通じて、「農業の常識を変え、次世代の農業を切り拓くことが使命」とおっしゃり、地域農家や若手農業従事者と共に新たな挑戦を続ける決意を示されました。
スマート農業の可能性を現場で実現する藤田様の取り組みは、甲賀市の農業の未来を照らす一つの光となっています。